イアン ボストリッジ
普段は器楽の曲を聴くことが多いのですが、YouTubeで色々と曲を探しているうちに、シューベルトのドイツリート(ドイツ歌曲)で素晴らしい声楽家に出会いました。
その方はイギリス人の「イアン・ボストリッジ」というテノール歌手。
ドイツリートといえばドイツ人バリトン「フィッシャー=ディスカウ」が有名で、それは本当に美しく、正確で繊細な歌声です。
ボストリッジはその歌を思い起こさせました。
調べてみるとそれもそのはず、彼はケンブリッジとオックスフォードで勉強した学者で、10代の頃ディスカウの歌に衝撃を受け、ひたすら聴くことで丸暗記、歌い方も誰に習うでもなく真似することで上手くなっていき、とうとう本当にオペラまで歌う歌手になってしまったという人物なのです。
ボストリッジは音楽を専門的に学んでいない事について、こう述べていました。
『本質的に私は音楽にはアマチュアで、たぶん多くの面でそれはこれからも変わらないのではないかと思います。音楽が好きになったから、勉強しているだけです。』
(イアンボストリッジ ~シューベルト冬の旅を語る~
https://artespublishing.com/news/bostridge_interview/より)
このような謙虚な姿勢に習って、ずっと好奇心を失わないでいたいと思います。
ボストリッジのCDにはイギリスの歌曲集もあり、レイフ・ボーン・ウィリアムズ作曲の6曲からなる「命の家」第2曲「サイレントヌーン」は、特に評価された作品なのでこちらを紹介します。