癒しの曲



ブラームスのインテルメッツォを聴くと、家にいてゆったりと過ごすのが嬉しくなります。
ピアニストはグレン グールド。何度聴いても感動する名演奏です。

ピアノ作品でのインテルメッツォ(間奏曲)とは性格的小品と言われ、比較的短い曲をさします。
ブラームスのものは数曲セットでひとつの作品になっています。

「作品118」は敬愛するクララ シューマンへ誕生日を祝う手紙と共に献呈されました。
クララ シューマンは、作曲家シューマンの妻で、女性ピアニストです。
ブラームスは未亡人となったクララを生涯支え、作品のアドバイスをもらうなど厚く信頼していました。
お互いの書簡を交換しそれぞれ処分したそうで、秘めた関係であったともいわれています。


まだ若い頃、習っていた先生にこの曲が弾きたいと伝えると、「ちょっと早いんじゃない?」とあっさり却下されたことがあります。

「作品118」が作曲されたのはブラームスが60歳の頃。身近な人々が亡くなったり、自身の健康不安もあり引退を考えていた時期の作品です。
人生を振り返るような懐かしく暖かみのあるメロディーと共にマタイ受難曲の「痛ましいキリスト」の歌の要素も含まれた深い音楽になっています。

2020年12月03日