幻想即興曲
「今度の発表会に弾く曲、ショパンの《幻想即興曲》はどう?」
もうじき5年生になる生徒さんに提案してみました。
「え、……無理、無理!」
目を真ん丸にしています。
「この曲あまり好きじゃない?」
「ううん、憧れの曲!!」
「そう、よかった。頑張ってやってみたら?」
そして、彼女は少し高揚した様子で承諾しました。
初めての大きな曲としてチャレンジするのにぴったりな幻想即興曲。
実は、ショパンの死後出版されたこの曲には2つの楽譜があります。
ショパンの親友フォンタナの校訂で、こんにちよく弾かれている「フォンタナ版」と、のちに見つかったショパンの直筆譜による「ルービンシュタイン版」です。
曲の半ばからメロディーのリズムや左手の和音などが少し違い、直筆譜の方は、ドラマティックな和音、ちょっとしたしかけが散りばめられているようにきこえます。
直筆譜を発見したルービンシュタインのピアノで、それぞれの楽譜による演奏を載せます。
違いを感じてみましょう。
「フォンタナ版」14:50より再生
「ルービンシュタイン版」