これから
初めて歌舞伎を見たのは5年前。市川海老蔵さんの舞台でした。
普段クラッシックコンサートへ行く私には、歌舞伎座で休憩中に客席で食べるお弁当にちょっとしたカルチャーショック受け、ワクワクしたことが印象に残っています。
時々聞こえる「大向こう」の掛け声も新鮮に聞こえました。
18世紀の音楽会というのは今のようにシンとして聴くようなものではなく、いわゆる社交場で、「貴族お抱えの音楽家」の演奏を真剣に聴く人は多くありませんでした。
聴衆は皆タバコをふかし、おしゃべりに夢中。
静まって聴くようになったのは19世紀、音楽家がそれぞれ一人の「芸術家」になってからです。作品と向き合ってほしい作曲家の意図的な活動によります。
現代のクラッシック演奏家たちもインターネットで自由に発信できるこの今をチャンスにしているように思います。
これまで注目されて来なかった曲を探して演奏してみたり、日常的に音楽を提供できるような気軽な演奏を配信してみたりと、活動の場を広げています。
先日、若いピアニスト内藤晃さんの編曲した「G線上のアリア」の楽譜を購入しました。
見開きの2ページの、読みやすく美しいハーモニーの編曲です。
内藤さんもご自身で演奏したものをインターネットで発信されていました。
「クラッシック音楽で生きていく」のはなかなか厳しく、努力のいることですが、それでも美学をもった作曲家や演奏家の皆さんの活動を支持し、応援したいと思っています。