寄り添う
先週はピティナコンクールの特級3次予選が行われ、セミファイナリストが決まりました。
そのうちの今泉響平さんはモーツァルトピアノ協奏曲を演奏し、美しく澄んだ音が動画からも伝ってきました。
今泉さんへのインタビューで印象的だったのは、「自分の生徒もコンクールに出ているから頑張ってほしい」とピアノ教師としての一面を覗かせたところ。ご自身が注目されているなか、生徒の心配が思わず口から出てしまう様子に、きっと良い先生なのだろうと思いました。
94歳のピアノ教師、セイモア・バーンスタインは、著書【心で弾くピアノ】で「生徒自身の人間的成長のために関心を寄せるのは教師としての私の第一の責任である」と書いています。この本を読むとセイモア先生が教師として生徒に愛情と関心を持って接していることがわかります。
少し前に、そんなセイモア先生の人柄や日常が詩的に語られているドキュメンタリー映画を観ました。そのBGMが穏やかで優しい曲。
J.S.バッハの作曲といわれる教会カンタータ《哀悼行事》の第1曲「ソナティナ」のピアノ編曲でした。
本来は器楽曲と声楽で演奏される曲ですが、ピアノ独奏、連弾でも人気があるようです。
長い閉塞感の中、癒される一曲。
セイモア・バーンスタインの演奏を載せます。