ショパン
先日、ショパンコンクールが終わりました。反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位と、日本人がふたりも入賞しました。
反田さんは受賞後のメッセージでこう語っています。
「ショパンさん、こんなに素敵な人生にしてくれてありがとう。」
ショパンの命日は1849年10月17日。亡くなった3年後、フランツ・リストによりショパンの伝記が出版されました。
各国の言葉に訳され、広く知られた本ですが、今年の夏に新しい邦訳が出たのでショパンコンクールに合わせて読んでみました。https://sairyusha.co.jp/products/978-4-7791-2765-6
ショパンの作品、演奏、ポーランド人としての誇り高さや上品で慎み深い人柄について……そして最期の時。細かな作品の分析はなく、ショパンと間近で過ごしたリストが、共に生きた同士として書いたものです。
当時、オーケストラ曲を作るのが巨匠と言われる中、ショパンがピアノ作曲に留まったことを「自らの才能を最高に発揮する選択」、「献身的な姿勢」と称賛しています。
また、「後世の人々は間違いなく今よりも高く重大な地位を彼の作品に与えるはずである」とも書いていて、まさしくその通りになりました。
リストの詩的な比喩の多い文章で19世紀に触れながら、素晴らしいコンテスタント達の演奏を聴き、ショパンに想いをめぐらすひとときでした。