響き
アメリカの作曲家ギロックは、子供のための作品を数多く残しています。
今、生徒さんがギロックの「まぼろしの騎士」という曲を練習中です。その曲の最後の小節に書かれているのは、音ではなく休符のみ。音は最後から二番目の小節までです。音がないのにわざわざ休符を書いているのです。作曲者の意図は、休符の時間は最後の音の響きを感じているように、ということなのでしょう。
アコースティックピアノは、弾いた後、音は少しずつ減衰し、やがて聴こえなくなります。
演奏者は聴こえなくなるまでの音を次々とつなぐのです。
ピアノ演奏では、そのつながりの時間が大切。そして、響きと自分が共鳴する感覚が必要です。
響きの美しい曲として、スペインの作曲家モンポウ(1893~1987)の「内なる印象」を紹介します。
この第1曲目には拍子がありません。音の余韻を味わってみましょう。