音楽家とモード
新宿にある文化服装学院の博物館へ行きました。
「ヨーロピアンモード」と題した展示会です。
18世紀のヨーロッパのドレスから現在までの女性モードの変遷を見ることができます。
クラッシックピアノの作品が多くできた時代を感じられたら、と見学してみました。
博物館は展示物に影響がないように明かりが抑えられ、少しひんやりとした温度になっています。
1700年頃のロココ時代のものから始まる展示品は、絹製で豪華な刺繍がほどこされています。まるでモーツァルトの描かれた絵画から抜け出てきたようで、思わず近づきました。
1800年頃のベートーヴェンの活躍した時代は、エンパイアスタイルといって、ドレスは古代ギリシャの服を模したハイウエストで直線的なデザインになり、薄くやわらかな生地が胸の下からすとんと落ちるすっきりとしたシルエットになります。
でも、生地が薄いために風邪で高熱を出す女性が続出したとか。
ショパン、リストのいた19世紀半ばからは全体的に丸みを帯びたロマンティックスタイル。
スカートは釣鐘状に広がり、膨らんだ袖が特徴です。この時期から産業革命の影響で生地にプリント柄が登場します。
当時の女性は流行りのドレスでショパンやリストのいるサロンへ出かけたはずです。
「音楽」同様、「服」も社会背景と深くかかわりながら変化してきたことがよくわかる展示会で、大変興味深く拝見しました。
文化服装学園博物館「ヨーロピアンモード」は5月18日(平日のみ)まで催されています。