ザルツブルガーノッケルン
ある日、テレビを見ていると作曲家ヨハネス・ブラームスについての放送が始まりました。
生い立ちやエピソードと共に、ブラームスの好きだったお菓子を俳優の瀬戸康史さんが作る『グレーテルのかまど』という番組です。
お菓子はドイツに古くからある
「ザルツブルガーノッケルン(ザルツブルグの山)」。
その名の通り、ふわふわのメレンゲを山が連なっているような形に焼いたものです。
ブラームスは甘いものが大好きでした。
好んだのは貴族の食べるような凝ったお菓子ではなく、家庭的で素朴なもの。
家庭のお菓子としてポピュラーなこの「ザルツブルガーノッケルン」を、母親のヨハンナはたびたび焼いたはずです。
卵と少しの小麦粉と砂糖でできるので、私もチャレンジしました。
卵白は電動泡だて器を使うと、あっという間にふわふわです。けれどブラームスの時代、しっかりと泡立てるにはきっと腕が痛くなるほどだったでしょう。ヨハンナの愛情を感じます。
10分ほどオーブンで焼き、山頂にパウダーシュガーの雪を降らせて出来上がり。
課題の残る出来ではあったけれど、少年ヨハネスの気持ちになってふわふわを味わいました。