父の思い出
テレビではWBCの野球中継が始まり世界を相手に活躍する選手に湧いています。
そういえば、テレビ観戦が好きで、野球はもとよりお相撲や駅伝もよく観ていた亡き父。
お正月の大学駅伝を毎年見ては「頑張ってるなぁ…!」と目を潤ませるほど感激していました。
私はそんなお茶目な父に可笑しみを感じたものです。
さて、昨日は幼馴染のPさんと一緒にカタルーニャ料理を頂くために渋谷へ出掛けました。
ちょうどスペイン音楽についての本があったので、電車のなかで読んでいると、20世紀の偉大なチェリスト、パブロ・カザルスのお話が出てきました。
平和活動家でもあった彼は、演奏家として生涯、反戦と平和のメッセージを訴え続けたことで有名です。
「祖国で独裁政権が続く限り戻らない」とフランスへ亡命。けれどもカザルスが存命中、政権は変わらず、祖国の地を踏むことはありませんでした。
カザルスの強い信念を持ったエピソードを読んでいくと「なんという誠実さだろう……」と、目頭が熱くなってきました。
まもなく渋谷に到着。
ふと、父のように感激屋になっている自分に気づき、こっそり泣き笑うのでした。