中田喜直展



やっと訪れた秋らしく爽やかな日。どこかへ出掛けたくなりました。
そこで、最寄り駅から2つ隣の駅にある「横浜市歴史博物館」へサイクリングを兼ねて行ってみました。

今、博物館の特別展では作曲家中田喜直先生の「生誕100年中田喜直展」が催されています。
中田先生は歌曲「ちいさい秋みつけた」「夏の思い出」や、全国の学校校歌を数多く手掛けました。近隣のあざみ野中学校の校歌も作曲しています。
特別展では先生の半生を写真や直筆の譜面、戦時中にやり取りした手紙などでたどっています。

展示品を見ていくと、芸大卒業時の寄せ書きがありました。田村宏、井口愛子、畑中良輔、辻久子…、昭和のクラッシック音楽界の重鎮達が名を連ねており、才気あふれる学生時代だったのがわかります。

戦後は「よい詩によい歌」という考えのもと、仲間と「ろばの会」を立ち上げ、童謡を作曲し発表していました。
メロディーが詩の情緒を引き出すような歌。先生は、「言葉(歌詞)とメロディがよく合っていて、自然にきこえないとならない」と仰っていたそうです。

子どもたちのための良い音楽を追い求めた中田喜直先生は、最期の時まで創作を続けました。
絶筆となった楽譜、感謝の思いを綴った手紙も展示され、先生ご自身が豊かな心をお持ちだったとわかる特別展でした。


2023年09月30日