バトン



先日、恒例の夏の発表会が終わりました。初めて出演する小さな生徒さんや
受験を控えた生徒さんも、みんな頑張って見事に演奏してくれました。

発表会の終わりに、いつも私から皆さんに向けてお話をしています。
今年はこんなことを少し。

  
ピアノを習いたいと訪れる子供さんの多くは幼稚園から小学1年生くらい。
まだ生まれて5年ほどなので、本当に可愛らしく、あどけない様子に癒されます。
レッスンはまず指の体操やドレミのお歌、リズムや読譜のトレーニングをします。
鍵盤に指を乗せ、音を鳴らすだけの始めの一歩を過ぎると、ある日ピアノの音をしっかり聴き、曲に自分の思いをのせて演奏する日がやってきます。
素晴らしいテクニックとは関係なく、音の少ない、短い曲であっても、表現できるようになります。それは、ピアノとしっかり向き合うことで得られる、大切な経験です。

今回の発表会でも、成長を見せてくれた生徒さんがいて、本当に良かったと思いました。
そんな時、「ああ、音楽のバトンを渡すことができたな」と嬉しく思います。
ピアノの先生とは、このバトンを渡し、さらに育む伴走者なのです。


2025年09月17日